9月1日は、総代会。
 この日、氏子の総代が集まり、祭の開催を決定する。

 翌日2日は行司会。
 各組の最高責任者である行司さんが集まり、
 祭のスケジュールや規則等を決定する。

 行司会からまもなく、各組で初寄り合いを行う。
 この日に組の役員が集まり、行司会での決定事項を
 報告した後に、祭の成功を祈願する宴を行う。
 
 そして、その後から祭の練習が始まる。
 各組の会場からは、笛や太鼓の音が鳴り、
 御坊の町は、どこにいても耳に音が入るようになる。

 会場には乗り子や笛の参加者だけでなく、
 地域に住む役には付かない子供達も集まってくる。
 小さな子供達も、この時だけは夜間外出を許される。
 
 御坊市民にとって、祭とは本番だけではない。
 9月に入ると、もう祭は始まっている。 
 気づけばこの日は旧暦8月15日、十五夜。
 昔はこの日が御坊祭の日であった。
 
 その時を覚えている人はもうこの世にはいないが、
 昔から変わらぬ満月だけは、その時を見続けている。