10月5日。いよいよ、本祭。
 この日は朝から神社に各組の幟・屋台が集結する。
 四つ太鼓は例年は同伴しないが、昭和の初めまでは
 同伴し、共にお渡りをするのが正式だった。

 一行は幣を先頭に、延々500m近くも続く。
 その姿は、まさに江戸の大名行列を彷彿させる。

 神社を出立し、お旅所へと進んだ一行は、お旅所で
 神事を執り行い、しばしの休息を取ったあと、町内を
 一周し、神社へと帰還する。
 先ほど、四つ太鼓は同伴しないと書いたが、
 実は四つ太鼓が同伴する年もある。

 それは、四つ太鼓や天幕を新調した年。
 一行に同伴し、濱にて潮掛けを行い、清める。
 当然、毎年新調するはずもなく、数年に1組程度
 であるが、稀に何組か同時に新調する年もある。

 何台もの四つ太鼓が同伴する姿は、かつて四つ太鼓が
 同時にお渡りをしていた頃を思い出させる。いつか、全て
 の四つ太鼓が同伴し、あの頃のお渡りが再現出来れば...
 
 私は、いつもそう思う。